単行本:2012/4(文藝春秋)
★★★★☆
■あらすじ■
八年前に突然絶筆した作家・咲良怜花は、若い編集者の熱心な復活のアプローチに、自らの半生を語り始める。
そこで明かされたのは、ある男性との凄絶な恋愛の顛末だった―。
■感想■
貫井氏の作品ということでミステリーかと思ったら何と純愛小説。
本来ならドロドロした俗っぽい愛憎劇となりそうな内容ですが、ある種の清々しさと美しさすら感じる一冊に仕上がっていることに驚きを隠せません。
断筆したベストセラー作家の半生を紐解きながら、「あぁ、私には理解できないかもな」という予感がしていました。
もしかすると嫌悪感を抱いてしまうのではないかと。
読み続けるうちにそれは杞憂に終わり、彼女のとった行動にもどかしさを感じながらも決して否定的な気持ちにはならなかった。
共感はできない、けれど彼女の情念が自分の中に入ってくるかのような感覚を味わいました。
これほどまでに想える相手に出会えて彼女に悔いはなかったのだと思う。
私はとても好きな作品。
こんな男は、もう現れない。今後知り合う男に。わたしはすべてを明かす気などないのだから。











